2018年01月15日

DNA2本鎖が切断された場所に修復タンパク質が集まる仕組み

深井 周也(蛋白質複合体解析研究分野 准教授)
中田慎一郎(大阪大学 高等共創研究院/大学院医学系研究科 細胞応答制御学 教授)
Nature Communications(イギリス時間:1月12日(金)午前10時、日本時間1月12日(金)午後7時)

発表概要

東京大学分子細胞生物学研究所(所長 白髭克彦)の深井周也准教授、大阪大学の中田慎一郎教授(高等共創研究院/大学院医学系研究科)らの研究グループは、DNA2本鎖の切断を修復するために必要なタンパク質RNF168が二つのユビキチン鎖認識ドメイン(UDM1およびUDM2)を介してユビキチン鎖を認識してDNA損傷部位に集まる仕組みを明らかにしました(図1)。これまでの研究により、RNF168に含まれるUDM1とUDM2の二つの領域がユビキチンの認識に関与していることが示唆されていましたが、この二つの領域内に含まれるどの機能ユニットがユビキチンを直接認識しているのかは不明でした。深井准教授らの研究グループは、UDM1およびUDM2がユビキチン鎖と結合した状態の立体構造を決定し、さらに分子・細胞レベルでの変異体解析を行うことで、新たな機能ユニットを含む複数の機能ユニットがユビキチン鎖を認識する様子を明らかにしました。本研究成果は、DNA2本鎖切断の修復で重要な一過程の分子機構を明らかにしたもので、細胞のがん化や放射線感受性を抑えるための基盤となる知見になると期待されます。

雑誌名等

雑誌名:Nature Communications(オンライン版1月12日掲載)
論文タイトル:Structural insights into two distinct binding modules for Lys63-linked polyubiquitin chains in RNF168
著者:Tomio S. Takahashi, Yoshihiro Hirade, Aya Toma, Yusuke Sato, Atsushi Yamagata, Sakurako Goto-Ito, Akiko Tomita, Shinichiro Nakada* and Shuya Fukai*
DOI番号:10.1038/s41467-017-02345-y

問い合わせ先

東京大学分子細胞生物学研究所  蛋白質複合体解析研究分野
准教授 深井 周也(ふかい しゅうや)

大阪大学 高等共創研究院/大学院医学系研究科 細胞応答制御学
教授 中田 慎一郎(なかだ しんいちろう)