定量生命科学研究所セミナー 3月31日

日時 令和2年3月31日(火)17:00-18:00
会場 定量生命科学研究所 生命科学総合研究棟 B棟301号室
講師 岩井 一宏 教授(京都大学大学院医学研究科 細胞機能制御学)
演題 直鎖状ユビキチン鎖:慢性炎症・癌化に関わる新規ユビキチン修飾系
幹事 免疫・感染制御研究分野
主催 東京大学定量生命科学研究所

 

【要旨】
ユビキチン修飾系はタンパク質分解系の一部として発見された翻訳後修飾系であるが、現在では分解のみならず多様な様式でタンパク質の機能を制御することが明確となっている。ユビキチンは多くの場合、ユビキチン鎖として結合してタンパク質の機能を制御しており、ユビキチン鎖の種類によって制御様式が異なる。ユビキチン鎖はユビキチンに7個存在するリシン残基を介して形成されると考えられてきた。しかし我々は、ユビキチンのN末端のメチオニンを介する直鎖状ユビキチン鎖と、それを選択的に生成するLUBACユビキチンリガーゼ複合体を発見し、ユビキチンの世界に全く新しい概念を導入した。我々が発見した直鎖状ユビキチン鎖はタンパク質分解ではなく、免疫応答、細胞の生存などに関与する転写因子であるNF-kBの活性化、プログラム細胞死を抑制することで種々の疾患に関わることが明らかになっている。本講演ではユビキチン鎖の生成のenzymologyの研究の過程で発見した直鎖状ユビキチン鎖のpathophysiologyとその新たな展開を紹介したい。