【プレスリリース】「こころ」の基盤をなす情動の異常と自閉症
― 両者をリンクする分子PX-RICS ―(分子情報研究分野)

情動は「こころ」の基盤をなす脳の重要な機能です。喜怒哀楽といった根源的な心の動きだけでなく、より高次元の社会的感情までも含み、動物の社会行動を強く支配しています。情動を司るのは脳の「扁桃体(注1)」と呼ばれる部分で、その機能障害が自閉症の発症に直結していると考えられています。しかし、その分子機序はよく分かっていませんでした。東京大学定量生命科学研究所分子情報研究分野の中村勉客員准教授・秋山徹特任教授らは、独自に同定した自閉症原因タンパク質PX-RICSを欠損したマウスを用いてその情動機能を解析しました。その結果、PX-RICSが扁桃体に依存した情動機能に必須であることを見出し、情動機能の障害が自閉症を誘起する機序を明らかにしました。PX-RICSの機能の異常が扁桃体の情動機能の障害をもたらし、これが自閉症発症につながることが示されたことにより、発症機序や病態の理解が進み、新たな治療戦略の開発に資することが期待されます。

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